2012-03-17

MSがOfficeのバイナリフォーマット仕様を公開

Microsoft、「.doc」「.xls」などのOfficeバイナリファイル仕様を公開:CodeZine
Microsoft Office Binary (doc, xls, ppt) File Formats

なんだか、今日はブログに書きたくなるほど面白いニュースが色々と飛び込んでくる。MSがついに、旧Officeのバイナリフォーマットを公開した。これはいい動きだ。というより、当然の動きだ。

すでにOfficeで作られた既存のバイナリブロブは山ほどある。もし、MSが規格を公開しなければ、これらのファイルは数十年もしないうちに読めなくなってしまう。何故ならば、後数十年もすれば、今のOfficeを動かすのが難しくなるからである。たしかに、現時点で実用的なPCエミューレーターはある。しかし、数十年後には、今のハードウェアやOSの操作方法を知っている人間がいなくなってしまうのだ。

何も私は非現実的なことを言っているのではない。MS-DOS 1.0が公開されたのは、今から31年前の1981年である。さて、今、DOSの操作方法を覚えている人間がどれだけいるだろうか。もちろん、まだ多数存在するし、十分なドキュメントが残っているので、知識のある者は操作方法を学ぶこともできる。しかし、可能だからといって、行われるとは限らない。たとえば、今の時代に草書体を学ぶことは可能である。しかし、誰も日本の昔の文献をテキスト化して保存しようとはしない。日本には非常に多くの文献があるのだ。文献とは、筆まめな一個人の旅日記であったり、家計簿であったりする。これは歴史上、文化上、非常に重要なのだ。しかし、あまりにも膨大な量があるので、そのほとんどは世に知られないまま、朽ちていきつつある。この話について詳しくは、網野善彦の著作を参考にされたし。

とにかく、仕様が公開されておらず独占的でユーザーを囲い込む技術に依存してはならない。歴史的文化的に重要な資料が、後世に残らなくなる。

追記:2008年にすでに公開されていたらしい。

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