2012-12-14

Ubuntu 13.04におけるWMとドライバーのパフォーマンスの比較

[Phoronix] Ubuntu 13.04 Desktop Comparison: 6 Desktops, 5 Driver/GPU Combinations

久しぶりに、phronixが大規模なデスクトップの比較をしていたので紹介。

Ubuntu 13.04では、6種類のウインドウマネージャー(Unity, GNOME Shell, GNOME Classic, KDE Plasma, Xfce, LXDE)と、5種類のドライバー(Radeon, Catalyst, Intel, nVidia, Nouveau)をサポートしている。

このうち、Unity, GNOME Shell, KDE Plasmaは、それぞれGPU支援を受けたDesktop Compositorである、Compiz, Mutter, KWinを使っている。

また、RadeonというのはAMD Radeon用の非公式の自由なドライバーのことで、Catalystというのは、AMD Radeon用の公式の不自由なドライバーの名称である。IntelとはSandy Bridge/Ivy Bridge用の公式の自由なドライバーである。nVidiaはnVidia Geforce用の公式の不自由なドライバーで、NouveauはnVidia Geforce用の非公式の自由なドライバーである。

ウインドウマネージャーが、ゲームのパフォーマンスに与える影響は、常に気にされている。そのため、コアなGNU/Linuxゲーマーの中には、XfceやLXDEといった、Desktop Compositorではない古典的なウインドウマネージャーを使うものもいる。

比較に使ったGPUを見ると、AMD RadeonがHD 68000と一世代前のGPUであるのに対し、nVidia GeforceはGTX 680と、現行世代のGPUである。IntelはどうやらIvy Bridgeのようだ。

ベンチマークによる比較を見ると、AMD Radeon以外、特にウインドウマネージャーによる大きなパフォーマンスの影響はないように思われる。AMD Radeonでは、公式非公式ドライバー両方ともウインドウマネージャーによるパフォーマンスのばらつきが大きく、さらにDoom 3が動かなかったりと、なにかドライバー側に問題があるように思われる。

IntelのGPUとドライバーでは、ウインドウマネージャーによるパフォーマンスへの影響は見られないものの、やはりGPU自体が非力で、ゲームには向いていない。

nVidiaの公式バイナリブロブが、ウインドウマネージャーによる影響をほとんど見せていないのは面白い。ドライバー、ウインドウマネージャーともに、だいぶ改良されたのか。

NouveauはNouveauだ。Nouveauのパフォーマンスが、公式の不自由なドライバーに比べて極端に低いのは、GPUをリクロッキングできないからだ。GPUが状況に合わせてリクロッキングを行う以前(GeForce 8800あたりまで)は、Nouveauも健闘していたのだが、リクロッキングできない今、起動時のBIOSによるクロック設定のままで、したがってパフォーマンスが低い。

しかも、GTX 680ということは、たしか現状では、一度公式のバイナリブロブを読み込ませて、ファームウェアをダンプしなければならないはずだ。まだ一般人が簡単に使える段階ではない。

遺憾ながら、よく世間では、「GNU/Linux用のまともなGPUとドライバーはnVidiaだ」と言われる通りの結果になっている。まことに残念ながら、GNU/Linuxで最新のOpenGL準拠と十分なパフォーマンスを求めるならば、nVidiaのGPUと不自由なプロプライエタリドライバーを使わなければならない。

それにしても、KDEのKWinが、ほとんどのベンチマークで、わずかに他のウインドウマネージャーに比べてパフォーマンスで劣っているのは、ウインドウマネージャー側にも改善の余地があるのではないだろうか。

1 comment:

Anonymous said...

ウインドウマネージャではなくデスクトップ環境の比較では?
Xfceの標準のウインドウマネージャはXfwmですし
LXDEならOpenboxになるはず。