2019-05-26

ダンスを学び始めて一ヶ月がたった

超会議でダンスを見て、にわかにダンスを学びたいと思ったものの、体が一切動かないので、ダンススクールに通い始めて早一ヶ月、未だに踊れるようにはなっていない。

向上を実感したことはある。まず拍子が認識できるようになった。裏拍もおぼろげながら認識できるようになった。

レッスン中のルーチンの振り付けを覚えられるようになった。始めた当初は、眼の前でインストラクターが実演する8拍や16拍程度の動きが全然覚えられなかった。今はある程度覚えられるようになっている。

ただ、拍子が認識でき、振り付けを覚えられるようになったからといって、体が動くわけではない。手足で表裏を交互に取るような動きは未だに難しい。ヒザで表を取りクラップで裏を取る動作だけは練習して少し体を慣らしたが、汎用的ではない。また、表と裏を交互に切り替えていくような動きも苦手だ。

手と足を同時に動かすことができない。足を正しく動かそうとすると手が動かなくなり、手を正しく動かそうとすると足が動かなくなる。そして、手と足が連動して動いてしまう。例えば歩くように右足と左手、左足と右手を交互にあげていく動きは、右足と右手が同時にあがるナンバ歩きのような動きになってしまう。

BPMが早いと拍子に体がついていかない。全力で無理やり体を動かしてもまだ拍子が速すぎるように感じ、それでも無理やり体を動かそうとすると、途中の動きを1拍飛ばしてしまい、拍子を追い越してしまう。

すでに練習した動作が出てきた場合は、少しはマシに動くことができるので、結局どこでもでてくるような有名な動作は一通り練習して慣れるしかないのだろう。

柔軟は一向によくならない。昔からあぐらをかけないほど股関節が硬かったが、毎日柔軟しても全く変らない。また肩の関節も硬いので、背中で手を組むことができない。しかし、よくわからないことに前屈はできる。なぜここまで体が硬いのに前屈だけはできるのかがよくわからない。

ここ数年は習慣的に運動していたことも幸いして、連日でダンススクールに行けるほどの体力はある。ただし、一週間ほど連日でレッスンを受けると、関節が痛むので、休まなければならない。連日レッスンを受けると、筋肉は問題ないが、関節が限界になるようだ。関節は一度痛めてしまうと回復に時間がかかる。ボルダリングも週に何度もしたいのだが、関節に負荷がかかるために、今は週1にとどめている。

自分の体について考える時、常に体質について意識させられる。どうも自分の体は筋肥大しやすい体であるようだ。単関節の単純な筋トレは自分でも驚くほど短期的に向上するし、見た目にわかるほど筋肥大する。問題は、運動神経が伴っていないということだ。昔から多関節を使う複雑な運動が苦手だった。

筋肉とは名前の付けられた筋肉であっても、すべての筋繊維が一斉に動くわけではない。筋繊維が数十本、数百本と集まった運動単位で動く。筋力を出した質の高い運動をするには、単に筋肥大をするだけではなく、多くの運動単位を一斉に動かす必要がある。そして多関節の運動では、適切な運動単位の一連の動きが必要になる。どうも自分は俗に運動神経と呼ばれている筋肉の動かし方が下手なのではないかと思う。

ダンスのジャンルだが、ダンスを学びはじめる前は、非人間的な動きがしたいのでPOPに興味があった。今通っているダンススクールでもPOPのレッスンはあるのだが、まだあまりにも踊れないので特定のジャンルを銘打たないリズムトレーニングのレッスンしか受けていない。リズムトレーニングのルーチンの動きはだいたいとても簡単で基礎的なものばかりなのだが、一人だけ毎回LOCKでルーチンをするインストラクターがいる。結果的に今は特定のジャンルで言うとLOCKだけを少し練習した状態になっている。

ダンスを学ぶ前に各ジャンルのダンスの動画をひと通り見たのだが、LOCKは地味で良さがわからないという印象を持った。ところが、LOCKをわずかにかじった今、同じ動画を見返してみると、以前は地味に見えたはずのダンサーはとてつもない技量を持っていることがわかり、しかもかっこいいと感じるようになった。

どうもこれは私だけではないらしく、動画サイトで素晴らしいLOCKダンスにも、ダンス未経験者から「地味」とか「同じ動きを繰り返していて単調」みたいなコメントが付けられている。

というわけでダンスを学び始めて一ヶ月だったが、まだ踊れるレベルには達していない。向上が実感できる部分もあるが、まだ時間がかかりそうだ

さしあたってはダンスの経過観察のための動画撮影用にカメラを買いたいが、今の所他の運動でも使い回すことができるので、GoProを買おうと思っている。ただ、今年の秋頃に出るはずの次の製品を待つつもりだ。

2019-05-20

江添自宅ボドゲ会@5月26日

5月26日に下記の要領で自宅ボドゲ会をします。

江添ボドゲ会@5月26日 - connpass

2019-05-18

Epicストア、根回しなしにセールをしてゲーム取り下げが発生しカオスな状況

ゲーム流通プラットフォームであるEpic Storeは、Epic Mega Saleと称して、とても大規模な一時的な値下げを行った。これはほとんどのゲームタイトルを一律10ドル値下げするというもので、値下げ分はEpicがゲームパブリッシャーに補填する。

しかし、一律10ドル値下げというのが問題に鳴っている。50ドルのゲームが40ドルになるならいいとしても、15ドルのゲームは5ドルに、11ドルのゲームは1ドルになってしまう。値下げ分は補填されるとは言え、これは長期的にはとても問題になる。

何故か。ゲームはリリース直後が最も価格が高く、時間が立つに連れて昔のゲームとなるので安くなっていく。これは当然の話で、リリースされたばかりのゲームは最新のスペックで動く最新の技術を使った旬なゲームなので、当然値段を高くして開発費用を回収して利益を出す。しかし、10年前のゲームは10年前のスペック向けの10年前の技術を使った、今となっては見劣りするゲームだ。したがってその価値は低く、値段を安くしないと売れない。

またゲームは、一時的な値下げをして短期的な売上を上げる戦略が行われている。期間限定で値下がりをしているなら、値段が下がっているうちに買おうという心理が働くためだ。

しかし、そのような慣習と戦略が続いた結果、購入者の方でもゲームを購入する戦略ができている。ゲームは待てば必ず値段が下がる。ということは数年前の安くなったゲームを、さらに一時的な期間限定の値下げを狙って変えば、とても安く購入できる。そして、購入するならば市場最安値と同等以下の値段で買いたい。

あまりに需要があるためか、世の中には様々なゲームの値下げをトラッキングしているWebサイトまで存在する。

Deals - IsThereAnyDeal

そのような状況で、Epicの値下げは問題になる。よほど興味のあるゲーム以外は、底値でしか買おうとしない雰囲気が燻蒸されている業界で、一時的にせよ数ドル程度に値下げされたという歴史を持ってしまうと、今後そのゲームは数ドルでしか売れなくなってしまう。その歴史が着くことを嫌ったゲームパブリッシャーが、Epic Storeから次々にゲームを一時的に販売取り下げに走っている。中にはEpic独占販売のゲームや、Epic独占かつプリオーダー状態のゲームですら取り下げられている。これらのゲームはセールが始まってから取り下げられたことを考えると、Epicは事前の根回しなしに急に今回のEpic Mega Saleを始めたことが伺える。

そんな中興味深いのがUbisoftだ。Ubisofthは都合がいいことに、Epic Mega Saleの始まる1週間前から、「Uplayの不具合」という理由で、Epic Storeから全ゲームを一時的に販売取り下げしている。ゲームの販売を一時的に中止しなければならないほどの不具合にもかかわらず、またセール期間中というとても重要な時期にもかかわらず、未だにUbisoftは「Uplayの不具合」を都合のいいことに「修正」できていない。これではまるで、Ubisoftは根回しか内通かスパイなど何らかの方法で事前にEpic側の動向を知っていたのではないかと疑ってしまうほどの都合のよさだ。もちろん、Ubisoftの表向きの理由は未だに「不具合」だ。

なぜEpicがこんな暴挙に出たかと言うと、競合相手のValveのSteamのセールが近づいているので、対抗したかったのだろう。それにしても無計画でカオスだ。長らくSteam一強だったゲーム流通プラットフォームシェアは、果たして揺らぐだろうか。しかし、顧客からするとゲームが急に販売取り下げられたりするのは利便性を上げたりしない。

2019-05-16

ダンスを学び始めたが裏拍が取れない

超会議で見たダンスに感銘を受けてより、ダンスを学ぶことを決意した。さっそくその時見たダンスの振り付け動画を見て体を動かそうとするも、全く動かない。そこでダンススクールに通うことにしたのだが、やはり絶望的に何もできない。それでも頑張って2週間通い続けたところ、音楽を聞くと拍を認識できるようになっていた。今まで私にとって音楽とは、拍も音程もなく、よくわからない雑音に混じって歌詞が流れていくるものという認識でしかなかったのだが、規則正しい拍に合わせているということが認識できるようになった。ダンスの動きも拍に合わせる。なので拍を認識できるようになったというのはいいことだ。

と満足していたところ、ダンススクールのレッスンで、裏拍に合わせて手拍子をするという訓練が行われた。しかし、これができなかった。さらには、ヒザで表拍を取りながら手で裏拍を取れという訓練になり、致命的にできなかった。

裏拍がなんであるかについては理解しているつもりだ。拍には速度というか周期があり、例えばアナログ時計の秒針であれば60BPM(Beats Per Minutes)だ。秒針の音が表拍だ。裏拍とは表拍と次の表拍の中間、秒針の場合、表泊が鳴ってから0.5秒後に存在する拍だ。つまり裏拍は、表拍と表拍の中間とか、あるいは倍のBPMにして、表拍ではない拍などと考えればいいはずだ。

理解はともかく、裏拍が手拍子で取れない。気がつくと表拍に合わせてしまっている。さらに、ヒザで表泊を取りながら手で裏拍を取るのは、ヒザに釣られて手も表になってしまう。拍が認識できない問題と、体が動かない問題の両方があるのだろう。

困った。体を鍛えて動くようになればダンスはできると思っていたが、拍が認識できないのではいくら体がうごいてもダンスができない。

ちなみに、いまだに体も動かない。ダンスレッスンでは100を超えるようなBPMでルーチン振り付けを訓練するのだが、そんな速さで体を動かすことができない。また、手と足を同時に動かすことができず、足を動かそうとすると手が動かず、手を動かそうとすると足は止まる。また、両手でアシンメトリーな動きをすることもできない。つま先と足首で16ビートを取りながらヒザで8ビートを取りステップしろという訓練もできなかった。

ところで、裏拍について調べると、どうも日本語と英語の対応がが混乱してくる。表拍がdownbeatで、裏拍がupbeatのようだ。また、on-beatとoff-beatという言い方もするらしい。あるいはback-beatなる言葉もあり、これは裏拍にあたるらしい。また日本語でも強拍/弱拍があり、これは表拍を強く、裏拍を弱くするといい感じのリズムになるので表拍が強拍、裏拍が弱拍の代わりに使われている文脈もあるらしく、一層混乱する。

また、Twitterに「裏拍が取れない」と愚痴を書き込んだところ、面識のないアカウントからも大量に「そもそも裏拍とはなにか」という解説から始まり、「僕の考えた最強の裏拍のとり方」という指南まで多数のリプライが飛んできた。これは一体どういうことだろう。今のTwitterでは、昔と違い、面識のない人間へのリプライはなかなか行われないのだが、珍しく大量の面識のないアカウントからのリプライがやってくる。世の中には裏拍がわからない人間には裏拍を解説しなければならないという強い思いがあるのだろうか。あるいは、裏拍を認識できない人間というのは、呼吸の仕方がわからないと主張する人間と同じように常識外れであるから、自転車小屋議論になったのだろうか。

どうも世間的には裏拍を認識できない人間のほうが少数派のようで、周りの身近な人間に裏拍が取れないと愚痴をこぼしても、皆、裏拍が認識できないという自体が理解できない様子で、共感してくれる人はまれであった。

唯一得られた共感は、「あー、難しいですよね、ドラムで(両手両足で4つの別のリズムを取るときの一本の)足のスネアを裏拍で取らないといけないのが、なかなかできないんですよー」というものだったが、これは明らかに違う。

2019-05-12

ダンススクールに通って2週間がたった

ダンスを始めたくなったが、全く体が動かないのでダンススクールに連日のように通い始めて2週間たった。

劇的な変化として、音楽から拍子を認識できるようになった。いままで、私は音楽の拍子も音程もほとんど認識できず、したがって全ての音楽は無秩序な雑音にしか聞こえなかったのだが、どういうわけか急に拍子が認識できていることに気がついた。そして認識した表紙に合わせて体を揺らすことができるようになった。

その場で見た振り付けを覚える能力が上がった。ダンススクールではインストラクターが振り付けを数回実演し、その後はその振り付けを繰り返すことになるのだが、これが最初、まったく覚えられなかった。2週間たった今、この振り付けを短時間で覚える能力が上がった。まだ十分ではないが、少なくともだいぶ向上した。

レッスンでは必ず柔軟が行われるが、股関節の硬さについてはまだなんの向上もない。現状では、私はあぐらが書けないほど股関節が硬いのだ。周りの受講者と比較しても、ここまで股関節が硬い人間はそういない。

レッスンでは腹筋やプランクのような筋トレも行われるが、これについては日常的にボルダリングをしているためか、問題なくこなすことができる。基礎的な筋力がすでについているというのは恵まれている。私にとってプランク姿勢を3分間維持するのはそれほどのことでもないのだが、どうも平均的には3分間維持できない人のほうが多いようだ。

アイソレーションについては、首の左右が難しい。また個別の動きはできるものの、つなげて円を描くように動かす動作を速くすると、動きが雑になってしまう。

肝心の振り付けはいまだに体がまったく動かない。振り付けを覚える能力が向上したために、なおさら目標の振り付けと自分の実際の体の動きの乖離を強く認識するようになった。ゆっくりと確実に動かしていくならばできるのだが、音楽の拍子に合わせて動かすと、あまりにも動きが早すぎるために、体がついていかない。

日頃から運動しているおかげか、ダンススクールのレッスン単体では筋肉痛にならないのだが、この2週間、ほぼ連日でレッスンを受けたために、徐々に疲労が蓄積している感じがする。軽い筋肉の張りを感じるので、もったいないがここは数日ほど休んで体の回復を待つべきだろう。

2019-05-07

マイクロソフト、無駄な抵抗を辞めてWSLに本物のLinuxカーネルを同梱する

Announcing WSL 2 | Windows Command Line Tools For Developers

「自分らはLinuxカーネルだ。防衛を解除して投降せよ。自分らの技術上の差異は自分らのものとする。自分らの文化は自分らの益とする。抵抗は無意味だ。」

マイクロソフトはWSL 2で本物のLinuxカーネルを同梱して利用すると発表した。

最初のWSLは、マイクロソフトによるLinuxカーネルのシステムコールの互換実装であった。これは様々な互換性とパフォーマンスの問題を抱えていた。互換性は果てしなく低く、パフォーマンスは主にファイルシステム周りがとてつもなく遅かった。

新しい実装であるWSL 2では、本物のLinuxカーネルを使い、完全なシステムコール互換性を実現する。このLinuxカーネルはマイクロソフトによってビルドされている。最初のバージョンはLinux 4.19となる。WSL 2用に変更を加えていて、これは「オープンソース」となる(RMSがまなじりをことごとく割き、怒髪冠を貫く勢いで激怒しそうな誤用でここは自由ソフトウェアというべきである)

本物のLinuxカーネルを使うことにより、WSL 2では圧倒的なLinuxシステムコール互換とパフォーマンスの向上が行われる。

パフォーマンスでいうと、初期テストではtarballの展開が20倍、git clone, npm install, cmakeなどの操作が2-5倍、パフォーマンスが向上する。

互換性という点では、Linux版のDockerが実行できるようになる。また、LinuxカーネルのFUSEを使えるようになる。

FUSEのサポートは興味深い。

2019年の6月末にWindows Insider Programで配布開始されるそうだ。

2019-05-05

CloudflareのDNSからArchive.isが解決できない問題について

Tell HN: Archive.is inaccessible via Cloudflare DNS (1.1.1.1) | Hacker News

あの有名な1.1.1.1であるCloudflareのDNSから、Archive.isが解決できない。なぜかCloudflareはローカルホストを返す。というHacker News上での質問について、Cloudflareの創業者の一人であるMatthew Princeが回答している。

We don’t block archive.is or *any other domain* via 1.1.1.1. Doing so, we believ... | Hacker News

1.1.1.1ではarchive.isも含むすべてのドメインを検閲していない。検閲は我々がサービスを立ち上げたときにユーザーに約束したDNSの正当性とプライバシーとセキュリティを損なう。

archive.isの権威DNSサーバーは我々のクエリーに対し、1.1.1.1に対して間違った結果を返す。私はClouldflare側での修正を担当部署に提案したが、そのような変更も、我々がサービス立ち上げ時にユーザーに約束したDNSの正当性とプライバシーとセキュリティを損なうものであると、正しく、指摘された。

archive.isのオーナーの説明では、間違った結果を返すのは、我々がEDNSサブネット情報を渡さないからであるという。この情報は名前解決を要求するユーザーのIP情報をリークし、それによって、ユーザーのプライバシーが犠牲になる。我々がより一層のDNSトラフィックの暗号化を推し進めるにあたってこれは問題になる。というのも、リソルバーから権威DNSへの通信はたいてい平分だからだ。国家の諜報機関がEDNSサブネット情報を監視して個人を特定している状況が現実に起こっている。この現状が1.1.1.1のプライバシーとセキュリティポリシーの理由にもなっている。

EDNS IPサブセットはDNSベースのロードバランスをするサービスに、地理情報に応じたレスポンスを返すのに使われている。しかし、1.1.1.1はCloudflareの現在180都市に展開している全ネットワークで提供している。Cloudflareは、Cloudlfareがクエリーする場所の地理情報を渡している。これにより、Cloudflareよりも密度の低いネットワークであれば、適切なDNS結果を返すことができるだろう。archive.isのような小規模な運営であれば、EDNS IPサブネットの代わりにCloudflare PoPを使っても、地理ロードバランスが妨げられることはない

Cloudflareよりも密度を持つネットワークやISPであるごく一部(例えば、Netflix, Facebook, Google/YouTube)については、EDNS IPサブネットに変わる、プライバシーとセキュリティーを損なうことなく地理情報に応じた対応ができる機能を協力して策定中である。これらの議論はまだ進行中だ。archive.isがこの枠組みで提案があるのであれば、我々は考慮する。

なるほど。ユーザーの地理に応じてDNSロードバランスで最適なIPアドレスを返す場合、EDNSサブネット情報を使うが、これは、ユーザーの位置情報(EDNSサブネット情報)が、ユーザーの利用するDNSサーバー(この場合Cloudflare)から権威サーバー(archive.is)に渡ってしまう。Cloudflareは大規模に世界各地にDNSサーバーを設置し、ユーザーのEDNSサブネット情報は渡さず、CloudflareのDNSサーバーの位置情報を渡す。これによってユーザーの具体的な位置ではなく、CloudflareのDNSのサーバー単位の位置情報になるので、ユーザーのプライバシーがやや保たれる。

興味深い。

2019-05-02

奇妙な乗り物、SBykeを購入した

SBykeという奇妙な乗り物がある。言葉で説明するより、動画を見たほうが早いだろう。

SBykeに最も近い形状の乗り物はキックスクーターだ。ペダルもハンドクランクもない軽車両で、地面を蹴って人力で進むという点ではキックスクーターに近い。ただし、キックスクーターとはだいぶ異なる乗り心地になる。

SBykeは前輪にBMXの大きなエアタイヤがついている。前輪はボードに固定されていて曲がらない。取っ手はステアリングではなく単なる取っ手だ。ターンは後輪で行う。スケートボードのように、リーンすると後輪が曲がるようにできている。前輪には自転車によくあるブレーキもついている。

SBykeは2012年にリリースされた割と新しい製品だ。ホイール径の大きなエアタイヤのキックスクーターを探していて発見した。そのあまりにも奇抜すぎる仕組みが気になって即座に購入してしまった。

無事に自宅に届いたが、まず組み立てなければならない。組み立ては付属の六角レンチだけでできるのだが、いろいろと不親切だった。まずトップデッキの上からネジを貫通させるのだが、トップデッキには穴が空いていなかった。そして、ネジが一本、どうやっても回りきらず浮いてしまう。浮いてはいるものの、このネジ一本だけでも固定されているので、固定はされているものと考えて残りのネジも締めた。そして、タイヤの空気が入っていないことに気がついた。SBykeはアメリカの会社の製品なので、タイヤチューブのバルブは米式であった。しかたなく英米仏3方式に対応した空気圧ゲージもついている空気入れを注文して、数日を無駄に過ごした。

空気入れは届いたが、あいにくとその日は雨が降っていて乗ることができない。今日、ようやく初めて乗ることができた。

SBykeはとても乗りづらい乗り物であった。そもそもリーンしないと曲がれない上に、リーンしすぎると曲がりすぎてしまう。しかし、浅くリーンした状態を維持することは難しい。果たしてこの乗り物に問題なく乗れる日は来るのだろうか。

2019-05-01

ダンスを学びたかったのでダンススクールに行ってみたが教育ではなかった

超会議2019でとても切れのあるダンスに感銘を受けたので、にわかにダンスを学びたくなった。ちょうどスノーボードもシーズンが終わり、新しい有酸素運動を欲していたところだ。ダンスは丁度いい運動になるのではないか。しかし、ダンスはどうやって学べばいいのだろう。私はボルダリングとスノーボードとキックスクーターをしている。したがって私は日頃からある程度運動をしている状態にある。しかし、体の動かし方がわからない。スノーボードではインストラクターがとても役に立ったので、ダンスでもインストラクターから学べばいいのではないかと思い立った。幸い、ダンススクールは都内にたくさんある。ゴールデンウィークを幸いに、インターネット上で検索して自宅からも職場からも近い、通いやすいダンススクールに行ってみた。しかし、期待していた教育ではなかった。

天才は教育で作ることができる。天才を科学的に研究している研究者の著書、Peak: Secrets from the New Science of Expertiseによれば、様々な人間の才能は教育で作ることができる。例えばランダムな数字桁の暗記、絶対音感、バイオリンの演奏といった技能は、教育することができる。これらは先人がすでに効率的で効果的な教育方法を確立させているからだ。

私は、ダンススクールに教育を期待していた。ダンスを構成する動きを1挙動ずつ区切り、そのときの荷重や跋重、重心の位置、遠心力などを力学的に解説し、適切な体の動かし方を学ぶ教育を期待していた。スノーボードではそのような教育が確立しているらしく、プロのインストラクターにかかれば未経験者が2時間でトゥエッジのサイドスリップができるようになり、4時間でターンができるようになり、6時間で連続ターンができるようになる。

私が行ったダンススクールにおける「レッスン」は以下の通りであった。

鏡張りのフロアで爆音で音楽を流し、音楽に合わせてインストラクターが演技をするので、各自その動きをマネる。まず体操をし、続いて筋トレをし、短い振り付けを反復練習し、時間が来たので終わるという形であった。インストラクターの動きはすばらしかったが、インストラクターはほとんど助言をしなかった。ただ手本となる演技をするだけだ。

これは教育だろうか。私には、学ぶための環境と見本を用意しただけにしか見えない。教育はしていない。環境はよい。仕切りのない広い部屋で、床は硬いながらもやや衝撃を吸収するようにできており、壁は鏡張りだ。建物は防音されているので、激しく踊っても近所迷惑にはならない。見本もよい。インストラクターの動きは私をしてダンスを学びたいと感銘を受けたあの名前も知らぬ踊り手同様によい。しかし、ほとんど指導はなく見て模倣して覚えるしかない。

設備も気になる。なぜあんなに耳が痛くなるほど爆音で音楽を流さなければならないのか。部屋は防音されていて中から外に音が漏れることはないし、外の音は聞こえない。しかもレッスン中の受講者は私語せず黙々とインストラクターの動きを真似るだけ。音量が過剰だとしか思えない。あまりに耳が痛く不快なので音に合わせることができない。爆音のなる中でインストラクターはごく稀に指導らしきことをつぶやいているのだが、爆音にかき消されて全然聞こえない。なぜマイクが用意されていないのか。そもそも爆音である必要はない。そして、インストラクターは音楽を操作する必要があるごとに装置の前まで移動する。なぜ遠隔操作できるようになっていないのか。

立地はよいし、月謝はそれほど高くなかったので、とりあえず一ヶ月行き放題の契約をしてみたが、これでダンスが学べる人間は、別にスクールに頼らなくても学べる気がする。

ところで、私がダンスを学ぶ上で障害がひとつある。私は騒音が苦手なのだ。そして、私にとって大抵の音は騒音として認識される。

理由はよくわからない。医師ではない他人からは聴覚過敏の可能性を指摘されているのだが、正式に診断を受けたことがないのでわからない。それに、自分でも不快だと感じる音が一貫していない。例えば、今この文章を書いている間に外から車の音と雨の音がしているが、これはさほど不快ではない。また、私はこの文章を書くのにCherryMXの青軸を使っていて打鍵のたびにカチカチというクリック音がなるのだが、これも不快ではない。むしろしっかりと打鍵したことが認識できるので快適ですらある。私の妻は家で常に謳っていたり踊っていたりしているのだが、これもさほど不快ではない。あるいはスピーカーから出る音が苦手なのだろうかと考えたこともある。妻がスピーカーから音楽を鳴らしているのは極めて不快だ。しかし私がビデオゲームをしている時は操作に応じて効果音がフィードバックとして流れてほしい。ゲームの効果音は不快ではないし、ゲームが面白い場合、その音楽もたいてい不快ではない。駅のホームのスピーカーで流れているアナウンスもさほど不快ではない。

そもそも音楽を聞くことは好きではない。たまに無性に音楽を聞くこともあるのだが、純粋に音楽を聞くのではなく、その音楽に付随する文脈が面白いから聞いているのだ。例えば気に入ったアニメやゲームの音楽であるとかだ。

興味深いので一度医師の意見を聞きに行ってみたいとはつねづね思っているものの、健康診断の聴力テストで問題になったことはないし、人の声が聞き取りづらいと感じたこともないし、集中して作業する時はそもそも静かな環境を好むのは他人と変わらず、したがって日常生活でさほど不便を感じていないので、なかなか病院に行って医師の意見を求めるほど切実な問題にはなっていない。ストレスや疲労によって音の不快度が変わったりはしないので精神的なものでもないだろうし、特に何か治療できるものだとも思われない。しかし、今回は困った。ただ、単純に音量が大きすぎるだけではあると思うのだが。

ただ、今回レッスンを受けた限りでは、インストラクターはほとんど指導らしい指導を発声しないので、workaroundとして爆音の音楽をリズムが取れる程度の音量にまで軽減するために、耳栓をしても変わりはない気がする。

ところで、肝心の手本であるが、体操は体が硬いために一部の動きができず、筋トレは変則的な体側を起こす片手腕立て伏せ書く10回、各種腹筋合計2桁回、プランク数十秒程度のものであったので問題なくこなすことができ、振り付けは圧倒的なリズム感のなさと耳をつんざくほどの不快な爆音音楽のせいでタイミングがあわず、まるでできなかった。そもそも手本を見ながら数回ゆっくり流しただけであとは反復練習しろというのはダンス未経験者にはつらすぎる。

以上のようなことを知り合いの踊り手に相談したところ、大抵のダンススクールとはそういうところだ。そもそも体ができてなくて動かない人間にいくら力学的なことを教えても意味がない。ダンスなんて自分で学べ。本当に基礎からやりたいならひたすら柔軟とか、1時間クソつまらないな動きを繰り返すことになる。それがやりたいならバレエの基礎をやるべきだ。ただしすでに言ったようにクソつまらないので根気がなければ続かない。ダンスをなめるな。とボロクソに言われた。

結局、Peak: Secrets from the New Science of Expertiseに書いてあったように、先人が効率的な教育方法を確立させている歴史のあるものを学んだほうがよいということか。