私は、読む価値のある記事がひとつでもあるサイトは、とりあえずGoogle Readerに放り込んでおくようにしている。常に自分にとって読む価値のある記事だけを書いてくれるサイトというのも、なかなかないので、大抵は、タイトルをちらっと眺めただけで、全部まとめてMark all as readしてしまう。
購読しているニュースサイトには、エミュレーター全般に関するニュースのみを発信しているものがある。エミュレーターと一口に言っても様々あり、たとえばPC/AT互換機そのもののエミュレーターであるとか、DOSやWindowsなど、実行環境とOSをセットで実装しているエミュレーター、あるAPIを他の環境で使えるように実装しているものもエミュレーターと認識しているらしく、そのニュースサイトでは取り扱っている。例えば、CygwinやWineなどだ。Windowsという車輪そのものを再発明するReactOSなんてものもある。
変わり種としては、ある有名な関数電卓のエミュレーターというものがある。また更に変わったものとしては、あるゲームプログラムのエミュレーターというものもある。これは例えば、Windows 9x向けに作られたゲームは、今のハードウェアやOSなどの実行環境に合わなくなってきているので、現代の実行環境に合わせて再実装するというものだ。無論、合法的である。配布しているのはプログラムだけで、画像音声スクリプトなどのリソースは、オリジナルのゲームから用意する必要がある。
もちろん、エミュレーターといえば、ゲームコンソールを無視することはできない。ファミコンやスーファミのゲームは、今でも楽しめる名作が多い。一時期、エミュレーターは違法かどうかが争われたことがあるが、最近、エミュレーター自体を開発するのは合法であるという判例が多いので、ゲームコンソールの会社も、エミュレーターの開発だけをもって訴えることは、最近はあまりしていないようだ。
前置きが長くなったが、これはエミュレーターには、いろんな種類があるということを説明したかったがためである。
ここ最近、といっても、半年や一年という長い目で見た感想だが、少し増えている種類のエミュレーターがある。それは、ゲームコンソール上で動くエミュレーターである。
これまで、ソフトウェアで実装されたエミュレーターといえば、大抵は、パソコン上で動くものが多かった。具体的には、WindowsやMacやLinuxなどのOS上で動くものとして作られることが多かったのだ。ところが最近、ゲームコンソール上で動くエミュレーターが増えている。
たとえば、PSP上でファミコンエミュレーターだとか、PS3やXBox360、果ては、もともと公式にエミュレーターがある、Wii上で動くエミュレーターなんてものもある。
エミュレートする環境も様々で、多くは他のゲームコンソールだが、DOSなどもある(最も、主目的はDOS上で動くゲームのためだろうが)
思えば、ゲームコンソールも進化したものだ。しかし一つ疑問なのは、これらのゲームコンソールは、開発環境が一般に公開されているとは言い難いということである。これらのエミュレーターを動作させるためには、ファームウェアを書き換えたり、ハードウェアに直接手を入れる必要がある。
これらの面倒で法的にもグレーな手順(注1)を踏む必要があってなお、これらのゲームコンソール上で動くエミュレーターが盛んに開発されている所をみると、需要はあるのだと思う。つまり、ゲームコンソールで自作のプログラムを動かす需要だ。ゲームコンソールを開発している各社は、なんで広く一般に開発環境を売って、自作プログラムの実行も許可する方向に行かないのかと、不思議に思う。
もちろん、現行のゲームは、ハードではなく、ソフトで儲けるという仕組みがあることにもよるだろう。とはいっても、需要はあるのだから、プログラミング可能にしたら、もっと売れるだろうし、利益を出す方法もあるだろうと思うのに、不思議だ。
と、現行のゲームコンソールを全く持っていない私からみての疑問をつぶやいてみた次第である。基本的に私は、自由にプログラミングできないコンピューターには価値がないと思っている人間なので、現行の携帯電話やゲームコンソールには、あまり関心がないのだ。それに、現行の携帯電話やゲームコンソールは、PCと比べて、明らかに非力である。もちろん、それなりのスペックのPCを一台組もうと思ったら、それなりのカネが必要だから、ゲームコンソールと比べて、値段が高いことは確かだ。それにしても、やはり明らかにスペックが違う。
注1:何故、自分の持っているハードウェアを改造するのが違法なのかという意見もあるだろうが、たとえば任天堂がマジコンを法規制させるのに成功した例もあり、少なくともこの日本においては、完全に合法とは言えないのである。