2009-07-05

HTML5で動画と音声のコーデックを規定しないのが適切な理由

なぜ、画像のようにはいかないのか。それは、アホみたいに大量のコーデックが存在するからだ。ブラウザはてんでばらばらにサポートするだろうし、仮に規格で、何らかのコーデックを最低限サポートすべしと規定したとしても、ブラウザベンダーに無視されてしまっては意味がない。XHTML2のように。

なぜ画像の圧縮形式の数は少ないのか。それは、別に誰も困っていないということだ。可逆圧縮ならばpngでいいし、非可逆圧縮ならば、jpegでいい。jpegより圧縮率が高くて、しかも画質もよいと宣伝する圧縮形式は、多数存在する。たとえばjpeg2000だ。デコードが重いことを無視すれば、あらゆるソースで、人間の目には画質がよく見え、なおかつファイルサイズもかなり小さくできる。でも、意味がない。

ひとつあたりのHDDの容量がテラバイト単位になり、ユーザがMbps単位のブロードバンドな回線を持つようになった現代においては、1MBのjpegを、同じ画質で500KBないしは250KBのjpeg2000に圧縮できても、さほどありがたみはないのである。

ところが、動画となると、まだファイルサイズが大きい。だからいろんなコーデックが開発されている。音声も同様だ。さらに、この動画と音声をまとめるコンテナのフォーマットも、多数存在する。

最低限サポートする動画、音声、コンテナを規定しようなんて無理な話だ。単にフリー、非フリーの問題ではないのである。

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