2008-05-26

試験問題と著作権について

問題集から長文が消える 著作権で引用できず 1/2
問題集から長文が消える 著作権で引用できず 2/2

大学入試の過去問題集などで、国語の長文読解問題の一部が掲載されない異例の事態が起きている。評論などを執筆した作家から著作権の許諾が取れていないためだ。教育業界では「教育目的」という大義名分のもとで無許諾転載が慣例化していたが、著作権保護意識の高まりから、大手予備校や出版社などが相次いで提訴されており、引用を自粛する傾向も目立ち始めている。

法律上は、いわゆる試験問題作成のために複製、公衆送信を行うことができるのだが、営利目的の場合はこの限りではないとされている。つまり、この営利目的の除外に、過去問題集が当てはまるわけだ。

そもそも、まだ著作権が存在するような文章を、問題文として使う必要があるのだろうか。既に著作権が切れて、パブリックドメインとなっている文章を使えば、何の問題も起こらないというのに。

私も高校生の頃、入試の予想問題や過去問集を山のように説いたが、現代国語で複製されている文章はひどかった。特に論文だ。筆者は、論文の内容よりも、文章の堅苦しさを重視したとした思えない文章が、多数あった。特に論文の内容ではなく、文章に矛盾があるのだ。それなのになぜか、文章の文法上の矛盾を挙げよという問題は存在しなかった。

なぜこのようにひどい悪文になるかというと、論文の筆者に漢文の素養のないことが原因だろう。

それ真に、漢文調、かつ、論理的な文章を読まんと欲する者は、中江兆民の三酔人経綸問答を読むべし。

まあ実際、三酔人経綸問答は、修飾過多である。それでも、福沢諭吉の文章より読みやすい。確かに福沢諭吉の文章は、当時としては驚くほど簡単なのだが、どうも文章が単調で、読んでいてつまらない。先を読もうという気力が沸かない。

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