2010-03-26

サウスパーク:スコッティ・マクボーガボールのお話

The Tale of Scrotie McBoogerballs

今回の話は、解説の必要を感じたので、背景を説明しておく。

今回の話の根底にあるのは、The Catcher in the Rye(邦訳:ライ麦畑でつかまえて)という、有名な本である。おそらく、名前ぐらいは、誰でも聞いたことがあろうだろう。

「ライ麦畑でつかまえて」は、いわくつきの本である。というのも、この本に影響されて、殺人を犯したといわれている殺人事件が、複数あるからである。

1960年のこと、ある学校教師が、生徒に、この本を読ませたところ、生徒のひとりに、射殺された。

それだけではない。John Lennonを殺した、Mark David Chapmanや、Ronald Reaganを殺そうとした、John Hinckley, Jr.、はては、Rebecca Schaefferを殺したRobert John Bardoまでもが、この本に影響されたと、語られている。

そのような経緯によって、この、「ライ麦畑でつかまえて」という本は、アメリカの多くの図書館、学校で、禁書となっているのである。

今回のサウスパークでは、それを茶化している。つまり、本が、筆者の意図を離れて、拡大解釈されていくのである。心理学には詳しくないが、バーナム効果という概念も、あったりする。人は、曖昧で抽象的な言葉を、勝手に都合よく解釈してくれるのである。世の中に、詩人というものが流行るのは、このせいだろう。

しかし、真面目に考えれば、「ライ麦畑でつかまえて」という本が、殺人衝動を引き起こすはずがない。禁書というのは、えてして、このように馬鹿げたものになるのである。

実は、私は、「ライ麦畑でつかまえて」を読んだことがない。せっかくなので、時間があれば、原書を読んでみようかと思う。

キャッチャー・イン・ザ・ライ
ライ麦畑でつかまえて (白水Uブックス)
The Catcher in the Rye

2 comments:

Anonymous said...

単なる事実の指摘ですけど、
ヒンクリーはレーガンを銃撃しましたが殺害はしてませんよ。

江添亮 said...

おっと、そのようだ。
修正。