注意:この記事はとても怪しいWebサイトを紹介している。眉につばをつけて読むべし。
C++ Grandmaster Certification [CPPGM]
C++グランドマスター認定というオンライン講座が、2013年の3月から始まるそうだ。
これは、12ヶ月から18ヶ月ほどかけて、C++11でフルセットのC++11コンパイラーツールチェインを実装するというコースで、修了の暁には、C++のグランドマスターであることを認証するそうだ。
読むと、文字通りC++11のフルセットのツールチェインを実装するという、にわかに信じがたいオンライン講座らしい。最初のブートストラップを除いて、サードパーティのソフトウェアに依存しない、プリプロセッサー、コンパイラー、アセンブラー、リンカーを作るのだそうだ。もちろん、セルフホスト可能なコンパイラーとなると豪語。
問題を簡単にするため、環境はLinux x86_64と固定されている。
参加費は無料。課題の締め切りがあり、締め切りに間に合わなければ途中でリタイアとなるのだろうか。
一番最初の課題が公開されている。
C++ Grandmaster Certification [CPPGM]
みると、一応は真面目に、Phases of Translation 1, 2, 3までを実装するという課題になっている。スケルトンコードと、テストコードが提供されていて、課題を実装して送るのだという。もしこの調子でやるのならば、おそらくこの先18ヶ月、このクラスのみに専念できる時間が必要だろう。しかし、この調子では本当に18ヶ月で終わるか疑問だ。
しかも、コンパイラーだけならともかく、標準ライブラリをも実装するそうだ。C++11の標準ライブラリなんて18ヶ月かけても一人で実装しきれないと思うのだが。
とまあ、見た目だけは勇ましいが、どこまで本気なのかわからない怪しいオンライン講座。だいたい、参加者がどれだけ集まるかも疑問だ。Hacker Newsのコメントによれば、そもそも以前まで1月締め切りで募集していたのが、何故か3月まで伸ばされているそうだ。またWebサイトでは1万人の参加者がいると主張しているが、それならなぜ締め切りを伸ばしたのか。
さらに別のHNのコメントによれば、実際に登録してみたが、返事はなしのつぶて。ひょっとしたら単にSPAM用の情報収集のための釣りサイトなのではないかというコメントもある。
というわけで、このC++グランドマスター認証は、非常に怪しい。
ちなみに、参考のためにClangをみてみよう。Clangは2005年にAppleの支援のもと始まった、LLVM上のC++コンパイラーである。ソースコードの公開が2007年、自分自身をコンパイルできるようになったのが2009年、セルフホストできるようになったのが2010年である。
AppleやGoogleのような大企業の支援を受けて、Clangの開発をさせるために大企業に雇われた何人もの一流のコンパイラー作者の共同作業であるOSSプロジェクトですら、ここまで時間がかかっている。
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