Index of /jtc1/sc22/wg21/docs/papers/1989
暇なので、C++標準化委員会であるCS22/WG21の、歴史的な文書を読んでみようと思い立った。現在入手できる最古のドキュメントは、1989年のものだ。
Transmittal of X3 Lette Ballot 1269, Approval of X3/89-738R, Project Proposal for C++, and assignment to a new technical commitee, X3J16
1989年7月11日から13日にかけての会議で、SPARCとLenkov氏は、X3/89-738、すなわちC++と新しい技術委員会の設立に対する提案、を検討し、いくつかの文面上の提案を行った。SPARCは、C++はプログラミング言語Cとは区別されるべき別言語であるという一般の理解を認め、X3J11はこのプロジェクトが別の技術委員会に属するものであることを認めた。SPARCは新しい技術委員会に対する支援が存在することを認め、また、Lenkov氏はプロジェクトの提案が承認された場合、団体会議の議長を務めることに同意した。
ドキュメントの日付は1989年8月23日。これを承認している団体は、アメリカ合衆国におけるANSIとISOの橋渡しをする団体、日本で言えばITSCJにあたるINCITS、当時はCBEMAとかX3などと呼ばれていた公団らしい。
Lenkovとは、ヒューレットパッカードのカリフォルニア言語研究所のDmittry Lenkovのようだ。
X3_89-738R Programming Language C++ Proposal.pdf
1989年8月27日に提出された、Dmittry Lenkovによるプログラミング言語C++の技術委員会を設立する提案書。
C++の標準化のための技術委員会の設立を提案し、早急に対応できない場合は、方言を乱立、言語機能の欠如、ライブラリの欠如、対応環境の欠如、標準規格が存在しないがために新規プロジェクトに採用されないといった問題を生むと主張している。
今読んで興味深いのは、言語の欠如にGCを挙げている点だ。
X3J16 C++ Standard Committee.Organizational Meeting Nov_2_1989.pdf
1989年11月2日に行われた会議の議題一覧と見える。
12_08_1989 An attempt at defining ambiguity resolution for C++.pdf
T &にCV修飾子付きの型をマッチさせるということや、オーバーロード解決の詳細なルールなどが記述されている。今と違って、用語がだいぶ不統一である。
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この記事はドワンゴ勤務中だが、次のC++論文集の発行まで暇なので、何かしているふりをしようとして書いた。
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