2012-06-18

二重思想の危険性

嘘か誠かはわからないが、ちょうど興味深い話題がある。

児童ポルノ法が私に及ぼした実害と、今後増えると予想される家宅捜索 - seraphyの日記

「P2Pは?」と問われたので、「ファイル共有ですよね? やりませんよ。」と答えると逆に真顔で「どうしてP2Pをやらないのですか?」と尋ね返されてしまって逆に困惑してしてしまいました。

実に清々しいまでの二重思想の使用だ。peer-to-peerとは、単に一対一の接続を意味する用語だ。これ自体は、ファイル共有という意味はない。ただ、一部のファイル共有に用いられるソフトウェアのプロトコルが、peer-to-peerの呼ばれるような仕組みなっているだけだ。そもそも、P2Pといったところで、古典的な多数のクライアントと少数のサーバーより、さらに一対一を重視した通信方法が、流行語としてpeer-to-peerと呼ばれているだけの話である。それ自体には何の意味もない。たとえば、スポーツ系オンラインFPSゲームに用いられるプロトコルは、とっくの昔にP2Pだった

したがって、P2Pをファイル共有という意味で用いるのは、ジョージ・オーウェルが1984年の中で描いた、二重思考である。二重思考は実に都合がいい。なぜならば、言葉の意味を曖昧にし、合法とも違法とも取れる状態にするからである。この曖昧性は、全体主義者には実に都合がいい。このような曖昧な言葉を使うことによって、厳密な思考が行えなくなる。さらに、思想犯罪を取り締まる際にも、合法とも違法とも取れる言葉があることは都合がいい。なぜならば、二重思考によって、あらゆる言葉は違法となりうるからだ。

我々は、このような二重思考を避けなければならない。二重思考を受け入れると、我々は思想の自由を失う。戦争とは平和である。自由とは奴隷である。無知は力である。

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