2012-06-12

NANDの限界

The incredible shrinking NAND: I'm MEELLLLTING • The Register

なかなか面白い。

要約すると、NANDフラッシュには、セルの書き換え可能回数に相当低い限界がある。さらに、容量の問題もある。容量を増やすには、セルあたりのビット数を増やすのが手っ取り早い。だから、、セルあたり1bitのsingle level cell (SLC)から、2bitのMLCになり、3bitのTLCもある。

ところが、書き換え可能回数というのは、ビット数を増やすと激減する。3xnmプロセスで製造されているSLCのNANDは、まあ10000回ぐらいは書き換えられたが、MLCだと5000回に落ちる。TLCだと1250回だ。2xnmプロセスのTLCは、750回ぐらいしか書き換えられないのではないかと推測されている。じゃあ1xnmはどうなるのか。500回以下か?

NANDフラッシュの書き換え可能回数の問題は、コントローラー側で対処してきた。書き込みをできるだけ削減し、また書きこむセルを均等に散らして、特定のセルに書き換えが集中しないようにするなどの工夫だ。しかし、いくら何でも、500回程度しか書き換えられないというのは、限界だ。もはやどうしようもない。

つまり、NANDフラッシュは先が見えている。TLC以上にビット数を増やすことも、プロセスルールを1xnmまで縮小することも、現実的ではない。もうゲームは終わったのだ。

ポストNAND候補に名乗りを上げている技術はいくつかある。どれが主流になるのかはわからないが、NANDフラッシュの時に培ったコントローラー技術が適用できないことだけは確かだ。ある技術は単に要らなくなるかもしれないし、別の技術は、異なる方法を使わなければならないかもしれない。

つまり、ポストNANDの世界では、コントローラー開発の各社とも、同じスタートラインに立つことになる。今まで培ってきた技術は、あまり役に立たないからだ。

なかなかアツい業界だ。

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