Mark Shuttleworthは自身のブログで、Ubuntu 13.04のコードネームが、Raring Ringtailとなることを発表した。
Ringtailは、アライグマ科カコミスル属に属する動物で、英語ではRingtail catと呼ばれているが、猫ではない。
Ring-tailed cat - Wikipedia, the free encyclopedia
カコミスル - Wikipedia
13.04はもちろん来年の四月の話だが、明日あたりにリリースされるUbuntu 12.10には、いろいろ興味深いことも多い。
Ubuntu Linux 12.10 review: Better, but slower | ZDNet
たとえば利用者がローカルファイルとローカルアプリを検索するために入力した検索クエリーをすべてCanonicalに駄々漏れに垂れ流して、Canonicalでも更にアマゾンなどに販売する unity-lens-shoppingがある。これはプライバシー上とても危険であり、無効にするだけではなく、安全のためにアンインストールするべきである。
また、興味深いことに、Ubuntu 12.10では、デフォルトのファイルマネージャーであるNautilusを3.4にとどめている。これは、GNOME 3.6によるNautilus 3.6の変更が不評であるかららしい。
また当初、Ubuntu 12.10で、CanonicalはPython 3.2に移行し、Python 2系列はデフォルトではインストールしない予定だった。Python 3はPython 2に対して破壊的な変更を含んでいる。つまり、Canonicalが直接サポートするソフトウェアでPythonを使うものは、すべてコードをPython 3.2で動作するように移植しなければならない。残念ながら、その移植作業は間に合わず、結局Python 2系列も、引き続きデフォルトでインストールされるようだ。
もうひとつ重大な変更は、Unity 2Dを廃止したことだ。Unity 2Dは、Unityとその母体であるCompizを動作させることができないGPUしか持たないコンピューター向けのフォールバック機能だったのだが、Qt上で実装されており、そのオリジナルの開発者がCanonicalを抜けたことや、同等機能を二つのコードベースで提供する煩わしさを嫌って、廃止されることになった。今後は、LLVMpipeにより、OpenGLをソフトウェアでエミュレートすることにより、Unityを動かす。ここ数年に発売されたx86系CPUならば、とりあえずGUI程度は動かせるパフォーマンスらしい。
グラフィックスタックのソフトウェアエミュレーションは、近年非常に有名になっている。たとえば、ChromiumもWebGLを描画する際、十分なGPUを搭載していないか、あるいは極端に古い問題のあるバージョンのドライバーを使っている場合は、ソフトウェアエミュレーションにフォールバックするようになっている。
DirectXやOpenGLといった汎用グラフィックスタックを使ったコードを書き、対応していない環境ではソフトウェアエミュレーションを用いるのは、直接ハードコードするのに比べて無駄が多いように思われるが、これにより、同等機能を提供する複数のコードを持つ必要がなくなるので、開発の手間が下がるというわけだ。
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