◇伏見稲荷参道の焼き鳥
京都市伏見区の伏見稲荷大社の参道で、大正時代から続く名物「スズメの焼き鳥」を売る店が今年の三が日でまた一つ姿を消し、2店だけになった。スズメを捕る猟師の高齢化や禁輸による中国産の在庫切れなどで、原料が手に入りにくくなったのが原因。参拝客からは惜しむ声も出ているが、販売を中止した料理屋は「ないもんはしゃあない」とため息をつくばかり。市井の伝統料理が幻の味になる日も近い?【木下武】
◇猟師減り材料難、残るは2店
伏見稲荷大社は商売繁盛と五穀豊穣(ごこくほうじょう)の神様。名物の焼き鳥は、穀物を食い荒らすスズメ退治のために始まったとされ、参道で販売されてきた。
材料は中国産スズメが多用され、参道やその周辺の飲食店6、7店で売られていたという。しかし、中国政府が99年12月に食用の加工品も含めた野鳥の輸出を禁止。店の関係者によると、在庫の中国産冷凍スズメに頼るか、国産への切り替えを余儀なくされた。その冷凍モノも昨春ついに在庫が切れ、2店が撤退。別の1店もこの正月三が日をもって販売を終了した。
国産もピンチだ。スズメの生態に詳しい立教大理学部の三上修・特別研究員によると、町中で営巣する緑地の減少などから近年急減している。
国産で販売を続けている食事処(どころ)「稲福」は京都、兵庫、香川県などの猟師から仕入れているが、確保できる量はピーク時の3分の1にすぎない。値段も1本450円と中国産の約2倍。スズメ猟の後継者は少なく、今後も先細りしそうだという。
稲福の本城忠宏社長は「国産スズメのおいしさを知ってほしいが、猟の技術が受け継がれなければ息子の代にはスズメの焼き鳥がなくなっているかもしれない」と危惧(きぐ)している。
そういえば、前に伏見稲荷に行ったとき、「スズメ」と書かれたノボリがあった気がする。あれは本当にスズメだったのか。一体どんな味がするんだろう。
2 comments:
ほとんど骨ばっかりだけど、
香ばしくて美味しいよ。
一体あんな小さいスズメのどこを食べるのかと、料理方法を調べたら、
叩いて骨を砕いてから、丸焼きにするようですね。
現代で言えば、うまさより、物珍しさでしょうか。
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