Ubuntu 12.10のCompizにアップデートがあり、Unredirected Fullscreen Windowsがデフォルトで有効になった。
Unredirected Fullscreen Windowsは、名前通りフルスクリーンのウインドウに対して描画のリダイレクトを行わないというCompizの機能である。あるウインドウが画面をすべて専有しているのなら、Compizのデスクトップコンポジション機能はいらないので、直接描画できる。これにより、パフォーマンスが上がる。
主に、僅かなパフォーマンスや遅延も気になるゲーム用途である。ゲーム以外には特に必要ない機能だったりする。
なぜこの機能がデフォルトで有効になっていなかったのかというと、様々な不具合のためだ。CompizやUnity側の不具合もあれば、GPUのドライバー側の不具合もあるし、ソフトウェア側の不具合もある。
結構長い間、不具合潰しを行なっていたのだが、ようやくデフォルトで有効にできるようになったらしい。
動画再生ソフトウェアである、TotemやVLCのようなソフトウェアは、画面にティアリングが発生するため、この機能の例外リストにいれられているのだとか。
もちろん、この機能をデフォルトで有効にしたのは、単に不具合が潰されたからだけではない。かなりの需要があるから変更されたのだ。需要というのは、もちろんゲームのことだ。最近、Valveが邪悪なDRMによって制限されたゲームのソフトウェア流通システムであるSteamをGNU/Linuxにも提供しだしたからだろう。SteamはGNU/Linuxの利用者を不自由なソフトウェアで汚染する非人道的な存在であるが、その進出により、GNU/Linuxはゲーム用のプラットフォームとして立ち上がりつつある。
Steamのような邪悪なソフトウェア流通システムがGNU/Linuxにやってくるのは明らかに悪であるが、それによりGNU/Linuxベースのシステムのグラフィック周りが改良されるとすれば、悪ばかりではない。
多くのゲーマーが不自由なWindowsをOSに選ぶのは、ゲームが提供されているからである。もし、GNU/LinuxベースのOSにもゲームが提供されているのであれば、ゲーマーはWindowsに囚われる必要がなくなる。ゲームは依然として利用者の自由を制限する邪悪なソフトウェアだとしても、自由なOSの上で不自由なソフトウェアを動かすのは、不自由なOSの上で不自由なソフトウェアを動かすより、いくらかマシだ。
もちろん、自由なOSの上で自由なソフトウェアを動かすのが当然なのは言うまでもないが。
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