2013-06-29

自由ソフトウェア財団がBitTorrent Syncを高優先度ソフトウェアプロジェクトに指定

自由ソフトウェア財団は高優先度ソフトウェアプロジェクトと題して、現状では不自由ソフトウェアしか選択肢のないある種のソフトウェアに対して、自由なソフトウェアによる実装があるべきだと宣伝し、開発を促し、あるいは、自由ソフトウェア財団自ら開発している。著名なソフトウェアに対して、自由ソフトウェア実装が存在すれば、自由ソフトウェアの受容を高められるというわけだ。

たとえばFlash Playerの自由な実装であるGnashとか、自由なBIOSであるCorebootなどが挙げられている。

中には疑問なソフトウェアもある。例えば、自由なソフトウェア実装のGoogle Earthだ。Google Earthを使ったことがない身としては、Google Earthの自由なソフトウェア実装が存在するかどうかが、自由なソフトウェアの受容を高めるとは思えない。

自由ソフトウェア財団は戦略的に、著名な不自由ソフトウェアの対抗馬となる自由ソフトウェアを開発している。例えば、ゲームDink Smallwoodで使われているゲームエンジンの互換品である、FreeDinkなどだ。

GNU FreeDink - a free RPG/adventure game

phoronix.comの記事で、この自由ソフトウェア財団の高優先度プロジェクトのリストに、久しぶりに新たなソフトウェアが追加されたという。

[Phoronix] The FSF Has A New High Priority Project

その新たな自由なソフトウェアによる実装が求められるソフトウェアとは、BitTorrent Syncだという。

BitTorrent Syncとは、複数のコンピューター間のネットワーク越しのファイル同期をBitTorrentプロトコルを用いて行うソフトウェアである。

BitTorrent Labs

中間にサーバーを挟まない。通信は暗号化される。BitTorrentプロトコルによる効率的な転送が行われる。とまあ、そんな謳い文句だ。

たしかに、大量のサーバー群のソフトウェア更新の配布手段に、BitTorrentプロトコルを用いている例は読んだことがある。大量のコンピューターがある場合にはBitTorrentプロトコルは便利だろう。

しかし、二台のコンピューター間のファイル同期なら、BitTorrentプロトコルを使う意義は薄い。利用環境は数百台、数千台も管理するような規模だろうが、まず個人向けではない。

BitTorrent Syncの自由ソフトウェア実装の有無が、自由ソフトウェアの受容にそれほど影響するとは思えない。

現時点では、単にwikiページへのリンクがあるだけで、何も具体的なものはない。

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