ある男が、自殺した兄弟の遺産であるHDDの中に、"Protected-1"という名前の2GBのファイルを見つけたそうである。Redditで相談して色々調べた結果、そのPCのTrueCryptが入っていたことから、TrueCryptで暗号化されたボリュームファイルであろうと推測された。現在、TrueCrackでブルートフォースしているそうだ。
僕の兄弟が死んだのは、悲しいほど早く、不可解であった。兄弟は喫煙者だった。高校の時から吸い始め、死ぬ前の数カ月はチャンピックス(経口禁煙補助薬)を服用していた。家主が嫌なやつで、わざわざ家の裏庭の黒カビにLysol(洗剤)振りまくために人を派遣するような人間だった。ただ、これが特に問題になったかどうかは、分からない。当時、僕は200マイル離れたコーヒー会社で働いていて、その時、警察から、僕の兄弟がいる街にあるコーヒーショップの監視カメラの映像を提供してくれないかという電話があった。ある容疑者が店にやってきていないかどうかを知りたがっていた。僕は刑事に電話をかけ直して、ちょうど週末に街に行く予定だから、その時監視カメラの映像入手を手伝えると伝えた。僕はその時ちょうど、養蜂業も始めようと思っていて、コーヒーショップから40マイル離れた知人の場所で、最初の蜂の巣を仕込もうと思っていたところだったのだ。刑事からの連絡はなかったが、兄弟を訪ねた時、両親も一緒に行くとは伝えていなかった。兄弟は非常に神経質になっていた。というのも、彼は僕だけが来るものと思っていたからだ。これは兄弟には当然のことで、というのも、彼は墓地で働いていて、早めに起き(午後二時)、夕方を僕と二人で過ごすものだと想定していたからであった。その時話した感じでは普通だった。電話を返さない刑事のことについて話した。兄弟はその刑事については知っていると言い、自分を監視しているのだと話した。兄弟は、Portal 2が出るのを待っていて、その間の暇つぶしのゲームをしていると語った。我々は夕食を共にして別れた。その晩、僕は200マイル運転して家に戻った。
次の日、月曜日、母親から電話があり、兄弟がアリゾナはフラッグスタッフの精神病院にいると告げてきた。日曜日の夜に、我々が別れた後すぐ、兄弟は友人と同僚に電話をして、彼のHDDにウイルスが入ったので、ハンマーで叩き潰して(2台のPCに接続された6個のHDDとHDDレコーダー)、新しいのをAmazonで注文したと話し、そして北に100マイルほど車を走らせ、CIAが監視していると信じていたために、携帯電話の電池を抜き、追跡を欺くために、そのまま逆方向の南に走り、そしてWalmartに行って、キャンプ用品を買い、そして14時間ぶっ続けでフラッグスタッフまで運転したのだという。しかも、なぜ、どのようにして、そこまでたどり着いたのか覚えていないのだという。怖い話だった。
僕は仕事を一週間止めて、知人にアリゾナまで飛んで、彼を連れ戻してくれるよう頼んだ。彼らは次の土曜日に帰ってきた。兄弟の車を運転して帰ってきたのだという。途中、ベガス、フーバーダム、グランドキャニオンに寄って、帰路の旅を楽しんだという。その夜、僕は彼の元に泊まって、話し合った。Adult Swim(CATV)でアニメを観た。変な旅のことは話さなかった。僕は、何事も起こらず、普通どおりだったように振る舞うのが一番であると考えた。日曜日、僕は家に戻った。兄弟のことは両親に頼んだ。
月曜日の朝、デスクに座っていたとき、母親から電話があった。すぐに、悪い知らせであると悟った。兄弟はWalmartでショットガンを購入したそうだ。警備員として働いていたために、事前のチェックは難なく通り、最小の銃入手の待機期間もなく、その場で手渡したそうだ。彼は午後四時に購入した。彼はFred Meyer(スーパーマーケット)に行ってネットブックを買い、それでインターネット契約をすべて解除した。その後彼は、映画スクリーム4を観に行って、友人に電話して、午前二時頃まで、映画について話した。そして、近所の湖の国立森林管理の建物に行き、自分を撃った。
自分を撃った理由については分かっている。遺書によれば、アリゾナへの旅の記憶がないのだという。彼はもう一度、事件が起こって、誰かに傷害を及ぼすことを恐れていた。そうなれば、彼は「人に傷害を負わせた奴」として世に知られることとなる。兄弟はとても注意深く賢い人だった。何百冊もの本を読んでいた。お気に入りの本は、スティーブン・キングのもので、ほとんどの著書は持っていた。
このファイルに入っているものは、皆が推測したように、なにか児童ポルノのようなものであるとは思わない。おそらく、写真か文章だと思う。兄弟は、死ぬ最後の日まで、彼女がいた。兄弟はあまり多くを語らない人だったので、知人との逸話を聞いていると、もっと兄弟のことを知っておきたいと思うんだ。
このために、兄弟は僕の記憶にあるより、なにか違った面を持っていたのではないかと思う。
僕が200マイル先に離れてからの6年間、僕が兄弟と話したのは、おそらく30回。母親とはおそらく200回ほど。絶対、これにはなにかある。彼をより深く理解できる何かが。それが、彼が最後の日に作成したものであれ、あるいは長年の作であれ。僕は、この彼を彼たらしめたものを、単に消し去ることはできない。良かれ悪しかれ、知っておきたいんだ。
皆には分からないだろうが、このファイルはこの一年の間持ち続けていた。これが何なのかは全く分からない。単に何か適当なものなのかもしれないし、あるいはポルノかもしれないし、あるいは単に空っぽなのかもしれない。ひょっとしたら彼がやっていたMineCraftのサーバーに関係するものかもしれない。あるいは何か極秘な、CIAが殺してまでも追っていたようなものかもしれない。あるいは、兄弟は単に気が狂っていただけなのかもしれない。だが、ここにある。あるいは犯罪に関わるものかもしれないし、あるいは彼の書いた小説で、隠しておきたかっただけなのかもしれない。今わかるのは、これをProtected-1と呼んでいたことだけ。これに毎日見張られているんだ。知らないままでいるわけには行かない。
原文はあまり理路整然とした文章ではないので、訳文もだいぶしまらないものになった。
Redditのコメントに答える形での回答もたくさんあるが、まず、兄弟のネットブック以外のHDDは、すべてハンマーで物理的に破壊されて、どこか近所の池に投げ込まれたらしい。兄弟はそれほど複雑なパスワードを使う人間ではなかったようで、実際に、家探ししたところ、パスワードをメモしたと思われるものもでてきたらしい。どれも、名前とか誕生日とかを組み合わせて、大文字や逆転したりしたパスワードが37ぐらい記されているという。
TrueCryptのファイルは、一見するとTrueCryptで暗号化されたかどうかすらわからないようになっている。また、デフォルトでファイルスタンプなども更新しないようになっている。
まあ、つくり話にしても面白い。私の予想では、なんであるにせよ、見ないほうが幸せだと思う
しかも、持っていたHDDはすべて破壊して、あらたに当日買ったPCに入っていた暗号化されたファイルだ。
さて、私も死ぬ前に、/dev/urandomから2GBぐらいddして、encryptedとか名付けておいておこうか。
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