2012-09-08

新しいPCの皮算用

新しいPCを買う金はないが、最近のハードウェア事情に遅れてはならないと思い、久しぶりに状況を調べてみた。

まずディスプレイだ。私は早くから大きなディスプレイを購入した。当時はまだ高かったが、結局、我々はPCとのやり取りをディスプレイで行なっているわけで、より多くのピクセルを使ってやり取りするのは効率がよく、値段分の価値はあると考えたためだ。大きさは24インチで解像度が1920x1200、値段は当時、10万前後した。いま、似たようなスペックのディスプレイは、解像度さえ1920x1080を我慢すれば、それこそ2万以下で買える。ディスプレイの進化は遅いが、少なくとも値段はだいぶ下がった。

では、もし今、ある程度の金があるとしたらどのディスプレイを買うべきなのか。思うに、DellのU2713HMが、コストパフォーマンスに優れていいのではないかと思う。

LED搭載デル デジタルハイエンドシリーズU2713HM 27インチモニタの詳細

次にキーボードだ。今、私はREALFORCE106を使っている。これは悪くないキーボードだが、日本語配列で、しかもSuperキーがついていない。それはキー割り当てを変更すれば、ある程度は解消できる。問題は、テンキーが存在することだ。テンキーは不要であり、無駄にスペースを取る。それに、やはり英語配列のほうが、Enterなどのキーの形からして使いやすい。また、PS/2であることも、将来性に少々不安を感じる。なぜPS/2かというと、当時、私はまだUSBキーボードを十分に信頼していなかったのだ。

思うに、同じく東プレのRealforce86Uは、英語配列でSuperキーもあり、テンキーがないので、なかなかよさそうだ。

Realforce86U

CPUはどうか。CPUは、ほとんど進化していない。純粋なコアあたりのパフォーマンスは、ほんの僅かしか向上していない。それでも、最新のゲームを実行したり、ClangやGCC、Firefox、Chromiumといった大規模なソフトウェアをビルドする場合には、だいぶ違いが出てくる。残念ながら自由なソフトウェアで、それほどCPUのパフォーマンスが問題になるゲームは稀であるし、また、自前でビルドしているソフトウェアは、今のところClangしかないが、やはり早いCPUは欲しい。

私は宣伝に力を入れているだけで主流となっているものが嫌いだ。もちろん、主流となっているものには、それだけ利用者が多く、利点も多いが、やはり実力が伴っていなければならない。それ故、私の最初のPCのCPUには、AthlonXPを選択した。当時はAMDの方が優れていたからだ。5年ほど前に買った今使っているPCは、Core2Quadだ。現状を観察するに、やはり今PCを買うとしたら、IntelのIvy Bridgeを選択するだろう。ここしばらく、Intelの一人勝ちが続いている。このような競争のない市場は、Intelを増長させるのであまり好ましくない。AMDにも頑張って欲しいところだが、あまりいい噂を聞かない。

GPUはどうか。私は長らくnVidiaの信者だったが、GNU/Linuxに移行して、nVidiaは見限った。もうnVidiaを買うことはないだろう。今注目しているのは、CPUに統合されたGPUだ。たしかに、今はまだCPUに統合されたGPUのパフォーマンスは、専用グラフィックカードに比べて劣っている。しかし、将来は、パフォーマンスの差が気にならなくなるだろう。専用グラフィックカードとの絶対的なパフォーマンス差はどうしようもないが、今Core2Quadでも、通常の作業では、最新のIvy Bridgeとさほどパフォーマンスの問題を意識しないように、GPUのパフォーマンス差も、意識しない時代がすぐにやって来る。つまり、GPUのパフォーマンス向上が止まるのだ。

Intelの統合GPUに期待できる点は、IntelのGNU/Linuxへの対応は、Intel公式に自由なソフトウェアへの貢献という形で行われていることだ。つまり、バイナリブロブがいらない。実に、今の私のPCで唯一のソースコードが入手できないソフトウェアは、nVidiaの邪悪な制限ドライバーだけなのだ。

メモリーはどうか。今の私のPCはDDR2だ。速度でも容量でも、やはりDDR3に見劣りする。しかし、DDR4はそろそろ登場しそうな気がするのだが、なかなか難しそうだ。Intelも、DDR4のサポートは、Skylakeあたりでと考えているらしく、2015年頃には一般にも入手できるようになっているのではないだろうか。

DDR3は、2005年の時点で、「すでに3年開発している」と発表され、2008年あたりから一般的になった。とすると、一般人が入手できるまでに、都合6年間ほどかかっているわけだ。

DDR4は、2005年から開発を開始すると発表され、いまだに一般人が入手できる状況にない。2015年に入手できるようになるとすると、10年かかる計算になる。

メモリーの開発というのは、だいぶ長期的なものだ。ただ、グラフィック用のGDDRは、だいぶ頻繁に更新されているが。

ストレージはどうか。今、デスクトップでは二種類のストレージが主流である。回転する磁気円盤のHDDと、NANDフラッシュのSSDである。思うに、NANDフラッシュは、もうこれ以上大した発展がないのではないかと思う。というのも、これ以上微細化したり、セルあたりのビット数を上げたりすると、書き換え可能回数が千回以下に落ち込んでしまい、いかにソフトウェアで書き込みを工夫しようとも、どうしようもなくなるからだ。したがって、SSDは次世代のフラッシュメモリーの登場を待つしかない。

私はハードウェアに関しては保守的な人間なので、まだまだ信頼性の点で、HDDが優れていると思う。さらに、容量の点でも優れているし、まだHDDの容量を伸ばす余地があるとも聞いている。レーザーを当ててディスクを一瞬加熱するという、簡潔に書くと荒唐無稽な技術であるが、まだまだHDDに未来はある。

リムーバルストレージは、USB接続のフラッシュメモリに一本化されるだろう。まだ時代の流れに気がついていない人間のために予言するが、回転式の光学ディスクは、近い将来死に絶える。もはや、PCにCDやDVDやBDドライブを搭載する理由はない。無駄である。

ただ、小型のデバイスのために、カード型のフラッシュメモリーは今後しばらく存続するだろう。

5 comments:

Mikiya Okuno said...

Realforce86U使ってますがいいですよ。正確には私は黒のモデル(Realforce86UB)ですが。私はファンクションキーが欲しくてHHK Proから乗り換えたクチです。

Egtra said...

SSDは欠かせないと思います。CPUもメモリも速度向上がほとんどなくなった今日、HDDからSSDに代えることでの高速化は貴重です。

SSDが信頼ならないというのなら、OSなどはSSD上に、各種データはHDD上に置くというのはどうでしょうか。別の理由(OSのあるドライブはいつでも消せるようにする)から私はそうしています。

Anonymous said...

光学ディスクはまだまだ生き残るんじゃないでしょうか
数十GBのメディアを数百円くらいでプレスできますし、寿命も数倍は違います。

Anonymous said...

Romメディアの需要は亡くならないと思います。
PCにおいては光学ディスクに変わるロムメディアが未だ登場しないのも難点ですね。
そして、金持ちがマッチポンプしないとムリかなーと思います。

yx_wh said...

RMSさまがお使いになるHappyHacking Keyboard はどうかな?(^_^)