2009-09-26

修学旅行

先ほど、塩小路通りを歩いていたら、修学旅行生に道を聞かれた。何でも、三十三間堂に行きたいらしい。ちょうど私もその方向へ行くので、引き連れていくことにした。

思うに、この修学旅行生は、まだ比較的、恵まれている部類に属する。というのも、最近の修学旅行生は、あらかじめ手配された観光タクシーに乗って各所を回っているのが多い。それに比べて、この修学旅行生は、自分の足で自由に歩けるのだ。幸運だと言えるだろう。

無論、私は観光タクシーの運転手の能力が劣っていると言っているのではない。観光タクシーを使えば、安全安心な観光ができるだろう。うっかり道を間違えることもないし、時間が足りなくて、行きたい所に行けなくなったなどということもなくなるだろう。しかし、そんな平凡な観光は、果たして楽しいのだろうか。

ただし、聞く所によると、このあと清水寺に向かうらしい。というのも、学校側の指定で、必ず回らなければならない場所がいくつかあるという。清水寺がそこなのだとか。やれやれ、不幸なことだ。清水寺なんかに行かなければならないとは。

清水寺は、少し前、清閑寺をみにいく帰りに、そばを通った、はずだった。しかし、何故か外国語しか聞こえてこないのだ。はて、私は異国に来てしまったのだろうか。いや、日本に地続きの国はないし、ましてや京都市内に国境があるとは、聞いたことがない。すると、当然ここは京都で、清閑寺から帰る道だから、清水寺であるはずだ。第一、そこに音羽の滝があるではないか。清水寺に違いない。しかし、依然として聞こえてくるのは、日本語ではない。

思うに、観光地化してしまうと、ろくな事がない。清閑寺は、誰もいないので、実に平和だった。しかし、何故、清水寺があんなに人出があるのに、清閑寺は無人なのか。あの小督ゆかりの場所なのに、なぜ人が来ないのだろう。

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