2009-06-28

虎の巻には、あまり価値がない

学校の参考書などは、自らを名付けて虎の巻などとしている。しかし、参考書の名前を虎の巻にする筆者が信頼できるかは、はなはだ疑問である。

虎の巻とは、中国の有名な兵法の書、六韜の虎韜に由来するものである。実は、六韜はとても短い。だから、一時間もあれば虎韜は読める。そこで、ちょっと読んでみた。

結果は、あまり価値のあることは書いていない。武王が何を聞いても、太公望は適当に答えるばかりである。太公望の言葉は、一にして足る。曰く、「臨機応変」。具体的には、右にして左にして前後してと、もっともらしいことを云っているが、根本的には、「その時々に応じて最適な方法をとれ」と云っているに過ぎない。何の価値もない書物である。

故に私は言う。虎の巻と称する参考書の筆者は、六韜を読んでいない。もし読んでいたならば、こんな無意味な書物から、名前を引かないはずだ。

ただ、六韜はやたらと読みやすい。だから、読みやすい文章に対して、虎の巻というのは、可だと思う。

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