2009-06-24

歴史は案外単純なのかもしれないなぁ

  1. かつて、朱熹というアホンダラが、魏呉蜀のうち、蜀が正統であったというトンデモ説を発表する。蜀は一番最初に滅びた国で、当時中国を実効支配していたのは、疑うことなく魏であるにもかかわらず、やたらともてはやされる。これを朱子学と呼ぶ。
  2. 清に滅ぼされた明朝に使えていた朱舜水というヘタレが、尻尾を巻いて日本に逃げてきて、水戸光圀に保護される。コイツが王朝の正統論という馬鹿げた概念を、大日本史にもたらす。大日本史は、当時、日本を実効支配していたのは北朝だったにもかかわらず、天皇側の王朝であった南朝を正統に選ぶ。
  3. 幕末明治になって、人々は将軍に変わる、新たな王を欲していた。実質には、王が絶対的な権力を持ってはいないのだが、建前として、そういう精神的な指導者が必要だった。そこで、南朝の子孫として続いてきた天皇を担ぎ上げるため、南朝こそが正統な王朝だったと主張した。トンデモ論の集大成である大日本史も、ここで日の目を見ることになった。

案外、歴史は単純なのかもしれない。そういう意味で、私は秀忠と慶喜を尊敬する。彼らは歴史に名を残さず、而も世に多大な影響を及ぼすことに成功した人物なのだから。

No comments: